パワハラ種類の6類型って?増加している原因とは?
- 2022.12.21
- パワハラ

厚生労働省が定めるところのパワハラの定義では、パワハラは主に6種類に分けられます。その6種類はそれぞれ特徴のあるものですが、パワハラに関しては、6種類のうちの何種類かが同時進行で起こっている場合も少なくありません。
今回はパワハラの6種類と、パワハラが増加している背景について考えてみたいと思います。
パワハラの6種類と増加傾向
現在、労働に関する様々を取りまとめている厚生労働省は、パワハラを6種類にわけておりその6種類を次のようにしています。
1)身体的な攻撃(暴行や傷害など)
2)精神的な攻撃(脅迫や暴言など)
3)人間関係からの切り離し(別の部屋への隔離あ仲間外し、無視など)
4)過大な要求(業務上明らかに不要なこと、あるいは遂行不可能なことを強制したり、仕事の妨害をするなど)
5)過小な要求(業務上の合理性が見られず、その人の能力・経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じること、
あるいは仕事を与えないなど)
6)個の侵害(私的な事や事情に過度に立ち入ること)
このうち、現在増加傾向にあるのは、2や3、4という項目です。これらが増加傾向になるのにはどんな背景があるのでしょうか?
職場環境の大きな変動
ここ数十年で日本の職場は大きく様変わりをしました。終身雇用が当たり前ではなくなり、正規職員も減少、代わりに期間雇用の職員が増えたり外注の派遣職員が増えたりしています。
そうすると、同じ年の職員でも正規職員の方が立場を上だと勘違いしたり、派遣職員や期間雇用職員は、次にも採用をしてほしい、つまり職場上の弱い立場という足元を見られて不当な言動にも反論できないでいるということが増えてしまうのです。
他にも、3か月試用の後に正規職員への道があると言われ、その3か月間を不当な業務を山のように言われて、その3か月で心身を壊したりするわけです。
要するに「労働者」に対する「扱い」が希薄になってきているというわけです。
派遣が増えたことで、「代わりなんていくらでもいる」というのを、雇用する側も雇用される側も抱えることになり、そのことが労働者を軽んじて扱う結果へとつながっているわけです。
コミュニケーションの様子が様変わり
SNSを始めとしたコミュニケーションツールの台頭で、私たちの暮らしは便利になる一方でとても束縛を感じるものになりました。
そして、小さなコミュニティと思って発した言葉が、実は全世界に向けて放たれているものということで、発信者が大きなリスクを背負うことになっています。
こうしたリアルでのコミュニケーションと、バーチャルでのコミュニケーションの混同によって、実際の人間関係での相手との距離の取り方が下手になっているというのは問題の根底にある気がします。
パワハラはもちろん、加害者が何よりも悪いのですが、その加害者も、実は意地悪をしようとして言おうとしたというよりは、指導をするつもりが、相手との距離感のとりかたがわからないとか全うな指導の仕方がわからないということがパワハラに繋がっている面もあるのです。
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